ソーシャルディスタンス(半径2m)を確認するのに 計測しやすいARを作りました。 webARなのでアプリ等のダウンロードは不要です。 下記ページにアクセスしボタンをタップするとARが再生されます。 ※スマホ専用ARコンテンツになります。 ブラウザはiOS端末はsafari、Androidはchromeでご覧ください。 https://a440.technology/covid-19/ /cms/wp-content/uploads/2020/04/sd.mp4
8月12日からカナダのバンクーバーで開催されている、SIGGRAPH 2018(アメリカコンピュータ学会のCG分科会が主催する国際会議/展示会)に参加しています。 いくつかの講演の中で聞いた面白いトピックについて取り上げていきたいと思います。 聴講セッション:THE FUTURE’S WAITING SIGGRAPHの2日目、朝8時からの講演でしたが、タイトルに惹かれて聞いてきました。Blizzard EntertainmentのBob Nicoll氏と、IFTF(Institute for the Future)のDylan Hendricks氏の対談というかたちで進められたセッションで、テクノロジーがもたらす社会の意識変革、ソーシャルメディアなど、多岐にわたる話題が取り上げられました。その中でも、AR/VRが今後どのようなポジションになっていくかに触れられていた部分があったので、ご紹介します。 AR/VR, 3Dスキャンはどうなっていくのか? この講演の2日前に、アメリカのシアトルで、地上勤務の20代男性によって飛行機が盗まれた事件が起きたばかりでした。このトピックでも、「なぜパイロット訓練を受けたことがない人が飛行機を操縦できたのか?」ということが話題になりました。Dylan Hendricks氏によると、事件を起こした男性は、PCのフライトシミュレータで操縦のやり方だけは自分で学んでいた、ということでした。同氏は、学習におけるシミュレーションの強力さを語る一方で、現状のシミュレーションは現実の再現性が不完全で、メンタルモデルまで学ぶことができない、とコメントし、AR/VRの今後について、以下のように言及していました。 AR、VR、3Dスキャンは、より実践的なものになっていく VRは今後5~10年において、シミュレーション教育で大きな役割を果たす ARの利用によって、現実空間の視覚データを誰でも作れるようになる 現実空間のデータを集めることで、より洗練されたシミュレーションが可能になる (西澤註:この時点で、シミュレーションのAR/VRの境界は限りなく薄くなっているでしょう) 2018年現在、メンタルモデルは各個人に断片化されているが、その共有が何よりも有用 シミュレーションがテキストの代わりになるために、シミュレーションをやり取りできるファイルフォーマットが重要 主なトークはIFTFのDylan Hendricks氏のものでしたが、彼は各産業に対してコンサルタントを行っている方で、実際にAR/VRの業界内で活動されている方ではないので、「こうなるだろう」という未来予測としてではなく、「こういうポジションを期待している」というメッセージが含まれているように感じました。 しかしながら、今回の講演でも(結果的に)語られていたように、未来におけるAR/VRは、現在のような個々のデバイスによる区別ではなく、仮想環境を扱ってユーザの認知に変化をもたらすという点において、表現の違いはあれど、そこまで大きな違いはないと考えています。今回の講演では、ARによる各個人の能力の共有や感覚の拡張など、私たちの見据えているテクノロジーのもたらす未来と、おおむねの合致が見られたのが印象的でした。